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食べる かむ 味わう
~認知機能から始まる食べる機能~
食べるためには、まず目の前に出された食べ物が何であるかを認識しなくてはなりません。
今まで一度も見たことも、口の中に入れたこともないような食べ物に対して、われわれは警戒します。口に入れる前に、その食べ物をじっと見て、匂いをかいだり、お箸でつまんで感じを確かめたりするかもしれません。
その食べ物が、硬いか軟らかいか、冷たいか熱いか、好きか嫌いかなどは、口に入れる前に、瞬時に予知、認識しているのです。
それは過去の経験が記憶として刻まれており、その食べ物に合った食事行為をすることになります。
事実、固焼き煎餅とハンバーグでは、口に運ぶ量もスピードも異なっているはずです。もし、先天的な病気により、やむを得ず生後口から食べることができずに、点滴のみで栄養を補給されていたとします。
1歳になっていきなり離乳食を口に入れようとしても、恐らくその子は断固として食事を拒否するでしょう。生まれてから口から食べる経験がないその子にとって、当座食べ物は単なる異物でしかないのです。
また認知症のように記憶や認知機能に障害が生じると、目の前の食べ物を硬い軟らかいの区別なく、ひたすらガツガツと一本調子で口に詰め込んでしまう場合があります。食べ物は認識できても、硬さ、熱さ、嗜好の認識までは働くことが困難だからです。
われわれは生まれてからずっと、食べることへの経験を積み重ねて、それを無意識の中で記憶に留めて、食事機能を繰り返しているのです。
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